きぼう
「きぼう」とは、地球を回っている国際宇宙ステーションにドッキングして、宇宙実験を行うために日本が開発した実験棟。宇宙飛行士が長期間活動できる、日本で初めての有人施設だ。2008年3月11日、きぼうを乗せたスペースシャトルがケネディ宇宙センターから打ち上げらた。科学技術が日進月歩で発達している昨今では、取り上げる話題には事欠かないだろうと想像して止まないが、いかんせん科学技術関連のニュースが報道されない中で、久々の一大イベントだった。

さて、きぼうで一体どんな実験をするのか気になるところだ。宇宙航空開発研究機構JAXAのホームページには次のように説明されている。

「きぼう」では、私たち人類の将来に望みを託す実験や研究、技術開発が行われる予定です。その一つが地球観測です。現在、地球はオゾン層の破壊や温暖化・砂漠化といった深刻な環境問題にさらされています。これを地球外から観測・調査し、解決の糸口を見つけることが目的で、オゾン層を破壊する微量気体やオゾン層が発する短い電波(サブミリ波)の観測を行います。船外実験プラットフォームに搭載される世界最大の高視野X線カメラで、銀河系外の天体状況や銀河の分布の調査など天体観測も可能です。また宇宙実験では、重力のほとんどない環境を利用して、高品質なタンパク質結晶を作り、病気の原因解明や医薬品開発に役立てます。微小重力や放射線などが人間や動植物に与える影響を調べます。さらにロボットや通信・エネルギーなどの試験を重ねて技術開発も行う予定です。 (JAXAより)
大雑把に言うと、温度勾配炉を使った半導体の研究、流体の運動を明らかにするための流体物理実験、結晶成長の謎を解き明かす 溶液・タンパク質結晶成長実験等が行われ、これらは半導体や薬品の開発・製造に役立てられる。そして、タンパク質や核酸などの生体高分子の研究が、医薬品の開発、生命現象の解明につながるそうだ。さらに、植物・微生物を使った生物実験。生物に様々な影響を与える宇宙放射線の計測、などが行われる。

さすが宇宙実験だ。上手くいけば、半導体や医薬品の開発でめざましい進歩を遂げて、信じられないものが次々と生まれてくるだろう。今のパソコンがポンコツに思えるほどの超高性能なコンピュータ(想像できない!)。癌やエイズの特効薬もできるかもしれない。究極の医療ができるとすれば不老長寿か。凄い未来が待っているぞ、きっと。


日付 2008年5月2日



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